4月のある土曜日の昼前。
爽やかな風に誘われて、近くにある田畑の小道をぶらり散歩へ。
道幅の狭い農道の先に、トラクターで「田起こし」をおこなっている様子が見えた。
もうすぐ田植えの時季である。「田起し」の仕上げをしているのかもしれない。
田んぼの土を細かくしたら、そこに水を引き込み、田植えができるぐらいまで土を軟らかくする。
稲の根が張る土壌をつくる作業は、美味しいお米を作るために、最も大事な作業なのかもしれない。
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田んぼを目の前にしたある農家の庭先に、大きな桜の木があり満開であった。
満開の桜の枝は、道路の半ばまで伸びていて、ここを通る車は、枝に当たるのではないかと思うぐらいである。
この桜の木の近く、庭先の草地の中に、小さな青い花らしきものを見つけた。
これは何だろう。花なのか、実なのか。
しかも、たくさん咲いている。いや、なっているのか?
調べてみると、これは「ムスカリ」という花のようである。
ウィキペディアによると、「ムスカリ」はツルボ亜科ムスカリ属の植物の総称とある。
名前の由来はギリシャ語の「ムスク」であり、麝香(じゃこう)からきているとのことである。
詳細は「ウィキペディア」<ムスカリ>を参照
ちなみに、麝香(じゃこう)とは、雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(こうのう)<ジャコウ腺>から得られる分泌物を乾燥した香料、生薬の一種であり、ムスクとも呼ばれる、とある。
さらに「麝香」の語源を次のように記している。
麝香の麝の字は鹿と射を組み合わせたものであり、中国明代の『本草綱目』によると、射は麝香の香りが極めて遠方まで広がる拡散性を持つことを表しているとされる。
「ウィキペディア」<麝香>
ジャコウジカは一頭ごとに別々の縄張りを作って生活しており、繁殖の時期だけつがいを作る。
そのため麝香は雄が遠くにいる雌に、自分の位置を知らせるために産生しているのではないかと考えられており、性フェロモンの一種ではないかとの説がある一方、分泌量は季節に関係ないとの説もある。
香水に詳しい人は「ムスク」をご存じだと思うが、現在では本物のムスクが使用されることはなく、合成100%のムスク香料が本物のムスクの代替品として利用されている、とのことである。
<ムスク>について以下を参照
「ムスク香水とムスクの誤解」
香水Bizブログ(日本の香水メーカー武蔵野ワークス 香水創りのブログ)
「ムスカリ」の花は一見するとブドウの実のように見えることから、ブドウヒアシンスの別名を持つという。
たしかにブドウのように見える。
道路の脇のスイセンが黄色い花を広げた。
以前ここに来た時にはまだ芽が出たばかりだったが、すっかり花が咲きそろっていた。
黄色の花の帯が連なって、この道を通る人の目を奪っているに違いない。
しかし、車の運転手は脇見をしてはいけない。
路傍に咲く花と言えば、タンポポである。
道路の縁石と路面のアスファルトとのわずかの隙間に、しっかりと根を張り、花を咲かせている。
根は50センチメートルの深さまであり、さらに長いものでは1メートルの深さまで伸びることもあるという。
やはり、たくましい花の代表である。
ウィキペディアには、英語名では「ダンディライオン」と言い、フランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド=リオン (dent-de-lion) に由来し、これはギザギザした葉がライオンの牙を連想させることによる、と記されている。
タンポポで思い起こす詩がある。
踏まれても
踏まれても
なお咲く
タンポポの笑顔かな
どんな時もタンポポのように強くあれ、との励ましと受け止めたい。
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