よく見てみると、ひとつひとつ全て違っている。
だいたい同じ大きさなのだが、形や寸法が少しずつ違っている。
桂島緑地の北側にある傾斜になっている広場と、住宅地を分けている高さが3メートルほどの石垣である。
石は四角形に切られていて、45度ぐらいに傾けて積まれている。
いろいろな大きさの石が、ほぼ隙間がなくきれいに積まれているのだ。
石の切り方や積み方に決まった法則があるのだろうか。適当なやり方ではこのようにはならないだろう。
一個づつ寸法を測って、石を切りながら積む?
そんなことをしていたら、気が遠くなるような時間がかかりそうだ。
どういう人がどのように積み上げていったのか、興味が尽きないものである。
コンクリートの壁ではなく、石という自然の素材をうまく組み合わせて作られている。緑地側を歩くとき、住宅地との接点として、ちょうど良い調和を作っているように見える。
ここは、西側の住宅地脇の散歩道から、傾斜広場に降りてくるなだらかな坂になっている。
こちらは広場の反対側、東側のスロープである。
石垣のちょうど角の部分である。お城の石垣のように、隅の石がしっかりと積まれている。この石が要なのだろう。
石垣の石は、使う場所により呼び名があり、石の加工程度による分類や、石の積み方による分類などがあるようだ。
使う場所による呼び名
ウィキペディアによると、使う場所による呼び名が以下のように記されている。
石垣の石は 、石垣の出隅に積まれる隅石(角石・すみいし)と法面に積まれる築石(つきいし)や平石(ひらいし)で構成される。底の部分の石のことを根石(ねいし)といい、最上部に据える石のことを天端石(てんばいし)という。
ウィキペディア(Wikipedia) 石垣の積み方
石の加工程度による分類
石の加工程度による分類では、野面積み(のづらづみ)・打ち込み接ぎ(うちこみはぎ)・切り込み接ぎ(きりこみはぎ)の3つに分けられる。「接ぎ(はぎ)」とは、つなぎ合わせるという意味だそうだ 。
- 野面積みとは、自然石をそのまま積み上げる方法である。
- 打ち込み接ぎとは、表面に出る石の角や面をたたき、平たくし石同士の接合面に隙間を減らして積み上げる方法である。
- 切り込み接ぎは、方形に整形した石材を密着させ、積み上げる方法である。
石の積み方による分類
また、積み方による分類があり、布積(ぬのづみ)と乱積(らんづみ)の2つに大きく分けられる。
- 布積みとは、方形に整形した比較的おおきな石を目が横に通るように積み上げる方法で、整層積み(せいそうづみ)ともいう。
- 乱積みとは、大きさの違う自然石の平石、加工した平石をさまざまな方向に組み合わせ、積み上げる方法で、乱層積み(らんそうづみ)ともいう。
そのほかにも外観による分類などもあるようだが、詳しくは以下のサイトを参照
ウィキペディア(Wikipedia) 石垣の積み方
石垣の上には数棟のマンションが建っている。
それぞれの家を守る石垣でもある。
石垣の足もとに一羽の小鳥がいた。ツグミのようである。
カサカサと音を立てて、枯葉の中にいる虫などを探している様子であった。
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