「あれ、何だこれ?」
枝の先に、ピンク色の小さな芽を見つけた。
桂島緑地の散歩道で、葉がすっかり落ちた小枝の先に、ピンク色の小さな芽を付けていた。
少しばかりではない。葉が落ちて枯れ枝のように見える、そのほとんどの小枝の先に付いているのだ。
これは何の木だったろうか。
すぐには思い浮かばず、以前に撮影した写真を見てみると、葉が真っ赤に紅葉するドウダンツツジのようである。
そうだったのか、と改めてその芽を見たりする。
紅葉している時は関心を持って見ているが、きれいな葉がなくなると、すっかり関心が薄くなってしまうようだ。
ドウダンツツジは、ツツジ科ドウダンツツジ属の落葉広葉樹で、温暖な岩山に生えるが自生地は少なく、庭木や植え込みとして植えられているものが多いという。
近くの歩道でよく見ると、街路樹の生け垣にも利用されていた。普段はあまり気にすることなく、通い慣れている道である。生け垣に目をやると、そこにも小さな芽が出ていた。
この芽は「冬芽」といい、夏頃に芽を出して冬を越え、春に葉や花になる芽のことである。
他にも、桜やコブシ、アジサイなど結構たくさんの樹木で見ることができ、種類によって形や色などは様々で、それぞれに特徴があるようだ。
桜などは、小学生の方が、学校の植物観察などで勉強していて、大人より詳しいかもしれない。
冬芽には、中に葉が入っている葉芽(ようが)と、花が入っている花芽(かが)があり、形で区別できるものや、分かりにくいものがある。また、花と葉の両方が入った冬芽は混芽(こんが)という。
ドウダンツツジの冬芽は混芽で、花は4月から5月にかけて、葉が出てから約1週間後に、5ミリメートル程の大きさで、白色の釣り鐘のような感じで下向きに咲き、葉は菱形に近く、通常は約2センチメートル程度の大きさとのことである。
ドウダンツツジは新緑の季節、さらに花が咲く時季、そして真っ赤に紅葉する秋と、観賞時季が多い植栽であるが、芽が美しい冬の時季も楽しませてくれる。
デジタル大辞泉の解説では、次のように記されている。
【冬芽(読み)トウガ】
デジタル大辞泉
晩夏から秋に形成され、休眠・越冬して、春に伸びて葉や花になる芽。寒さを防ぐため鱗片(りんぺん)でおおわれている。越冬芽。ふゆめ。⇔夏芽(かが)。
ドウダンツツジの冬芽は、今は休眠中ということになる。動物なら冬眠中?
冬芽は、暖かな春になると一斉に活動を再開し、葉を出し、花を咲かせる。
冬芽は、季節の変化を感じ取る、センサーの働きもしているようだ。
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